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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

脾臓のできもの
脾臓のできもの(腫瘤)は高齢犬で一般的な疾患です。
多くの場合は症状がなく健康診断などで超音波検査を実施した時に偶発的に発見されます。

できものには以下のような種類があります
腫瘍性疾患:血管肉腫、肥満細胞腫、線維肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、リンパ肉腫 など
非腫瘍性疾患:血腫、結節性過形成、脾臓捻転 など

腫瘍性疾患と非腫瘍性疾患の割合は1:1と言われており、腫瘍性疾患の中では血管肉腫の割合が8割以上を占めます
どの腫瘤においても腫瘤がお腹の中で破裂を起こし出血してしまうと命に関わるため、早期の診断、治療が重要となります

診断
主に画像診断にて行われます

レントゲン検査:腫瘍の大まかなサイズや他の臓器との位置関係を確認します
超音波検査 :腫瘍の内部構造の評価や、位置、大きさの評価を行います
CT検査:腫瘍の位置や、周囲臓器との癒着、腫瘍の血流量などの評価を行います。また微細な肺の転移病変の確認を行います。

画像検査では腫瘤の確定診断は行うことができません
確定診断には病理組織検査が必要になります
*血液検査では腫瘤は見つかりません

脾臓腫瘤治療の第一選択は外科手術です。
肋骨の下からお臍あたりまで皮膚を切開し、脾臓を丸ごと摘出します。
ほとんどの子は手術の翌日にはお腹の痛みなどは落ち着き歩き回るようになっています。

写真は手術2週間後の抜糸前後の写真です
予防
脾臓腫瘤は予防できる病気ではありません。
健康診断などを行い、腫瘤が小さい時に発見し破裂などを起こす前に治療を開始することが重要になります。

廣瀬達也