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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬の頸部椎間板ヘルニア
 犬の頸(首)の骨は7つの椎体骨からなっており、第1~2間を除き椎間板という軟骨がそれぞれの椎体間にクッションのように存在します。この椎間板が変形突出し、椎体の内部に走る神経を圧迫・障害することで痛みや麻痺を生じます。
 軟骨が生まれつき弱い犬種による好発は知られていますが、小型犬から大型犬まで比較的よく遭遇する疾患です。主に痛みを主訴とし、(首を動かすと痛いため)頭を上げず上目遣いで痛そうにしたり、抱き上げる際に悲鳴を上げたりします。進行して重症化すると、麻痺による四肢のふらつきや、起立が困難といった状態に陥ることもあります。
診断
 首周りの痛みを訴える疾患は多岐にわたり、レントゲンやCTなどを併せることで骨格に関する異常などがないかや椎間板ヘルニア以外の疾患を併発していないかなどを調べることで診断の精度が高くなります。最終的にはMRI検査により神経組織への圧迫部位や程度を確認し確定診断となります。
↑頸部に多発性の椎間板ヘルニアが認められる
治療
 麻痺がない場合には痛み止めなどの薬で治療を開始します。痛みが引かない場合や、繰り返すなど、内科治療の反応が悪い場合、また神経症状が進行する場合には次いで外科治療を検討します。
 外科手術では神経の圧迫を直接外科的に取り除くことで治癒を目指します。手術を行うにあたってはその部位を決定し、圧迫障害の程度を知るうえでMRI検査は必須となります。
 近年、外科手術の選択肢の一つとしてレーザーによる治療(PLDD:下図)が始まっており、当院でも良い成績があります。
椎間板髄核にレーザーを照射し蒸散/空洞化 → 髄核内圧⤵ → 線維輪熱変性 → 脊髄圧迫を軽減
 椎間板ヘルニアの検査、外科治療に関するご質問等ございましたら神経科の専門家も在籍しておりますのでご是非一度相談くださればと思います。

文責 獣医師 喜多見賢二
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